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E.G.G.日本語研修 事業報告

Ⅰ.概要

 世界の日本語学習者にとって、実際に日本に来て、生の日本語を学ぶという機会は非常に貴重な経験となると思います。特に青少年の時期にそれを経験することによって、今後の自分の進路を決めるきっかけとなり、さらにはより広い視野を持ち、国際感覚を身に付けた優秀な人材へと成長していくきっかけとなると考えております。

このような思いのもと、この度、NPO法人E.G.G.の活動のひとつとして、2013年2月11日(月)~2月17日(日)までの一週間、「E.G.G.日本語研修」を行いました。

この研修では、実際のプログラムの中で、日本での生活や観光、交流の場を通じて日本語を実践的に使っていくことを重きに置き、さらには毎日の活動日記や思い出画集、総括の中で書いてもらう感想文などを通じて、文章を書くトレーニングも行います。また、朝の時間を使ってよく使う表現や単語など、テキストを用いた勉強も行っていきます。

宿泊先として当NPOの母体となっている海外帰国生専門教育機関JOBAの寮(JOBA ガーディアンシップセンター)が大田区にありますので、そちらに滞在しました。そこでは、海外赴任中の親元を離れて暮らす、中学生や高校生が共同生活をしています。彼ら自身も海外生活を経験している人がほとんどですので、国際的な視野を持った生徒さんばかりです。そんな彼らとの交流もひとつの魅力かと思います。

今回は第1回ということもあり、参加者はオーストラリアからの高校生1名(リサ・ジョンストンさん)でした。

Ⅱ.プログラム報告

研修初日の2月11日は、宿泊先に着いたらまず日本のお弁当を食べました。JOBAで勉強をしていた中学生とも早速仲良くなり、中学生にとっては英語の勉強、リサさんにとっては日本語の勉強になったようです。

その後、渋谷散策をして、日本の若者の文化に触れ、夜は寮の生徒さんとカードゲームなどをして親睦を深めました。


渋谷へ向かう山手線にて

寮のみんなと夕ご飯

2月12日は日本文化体験として、鎌倉観光に行きました。日本のお寺や大仏、そしておいしい食べ物をたくさん食べて、大満足な1日になりました。夜は横浜へ立ち寄り、初めての味噌ラーメンを体験しました。


鎌倉にてお団子を食べました!

高徳院にて大仏と一緒に

2月13日はまず東洋大学の見学を行いました。大学の紹介の映像を見せて頂いたり、出来たばかりの建物の見学をしたり、大学で学食を食べたりして、日本の大学生の生活を学びました。その後に赤門会日本語学校へ行って日本語のクラスに実際に入らせて頂き、日本に来ている留学生と一緒に勉強をしました。とても緊張したそうですが、留学生の皆さんはとても優しく、楽しく授業に参加できました。とても貴重な体験となりました。その後、上野公園やアメ横など、上野の散策をして帰りました。


東洋大学にて

赤門会日本語学校での授業風景

 

 2月14日は文京学院大学女子中学 高等学校へ行き、授業体験を行いました。高校と中学の授業に一緒に入り、英語の授業の時は少し先生になった気分を味わいました。さらに、授業が終わったあとは、日本の踊りを披露してもらったり、カルタやゲームを楽しんだりとより交流を深めることができました。お友達もたくさん出来て、とても楽しい時間となりました。その日の夜は、宿泊先で寮の生徒さんと日本のアニメを日本語で見ました。日本語をたくさん使った1日になりました。


文京女子 高校の数学の授業中

交流会にてカルタ大会

2月15日は書道体験をしました。お題となる文字や自分の好きな文字を書いて、それをお土産として持って帰りました。そのあとは、思い出画集作りを行い、夕方からはお台場にある大江戸温泉に行きました。

浴衣を着て、温かい湯船につかり、そして日本食を食べて、日本をたくさん味わった時間となりました。


書道のレッスン中

大江戸温泉にて

2月16日は念願の東京ディズニーランドに行きました。気候はとても寒く、そして混んでいましたが、それにも負けず思いっきり楽しみました。たくさんのお土産を買い、疲れを忘れ1日中歩き回りました。帰ってからは、寮の生徒さんと最後に過ごす夜だったので、ディズニーランドのお土産を食べながら、みんなで歓談を楽しみました。


シンデレラ城を背景に

お買い物をたくさんしました!

最終日の2月17日は、E.G.G.日本語研修の総括を行いました。この研修で覚えた言葉や、発見したこと、自国に帰ってから活かしていくことや、全体的な感想などを書いてもらいました。そして、最後に大好きなお団子と日本のパン、そしてたこ焼きを食べてこの研修を終了していきました。

Ⅲ.終わりに

 本事業に様々な形でご助力を頂きました皆様方に感謝の気持ちを込め、簡単ではございますがご報告させて頂きます。このような研修を開催できたのは、多くの協力機関の方々のお力があってこそだと強く感じております。この研修が、世界各国からの参加者が増え、「世界各国の高校生と学ぶ日本語研修」という、さらに日本語を通じて国と国とを越えた交流も行えるようなものにしていけるよう、今後とも努めてまいります。そして、日本と各国の架け橋となるような人材をたくさん輩出していけるよう、当事業の発展を目指していきます。今後とも温かいご支援のほどよろしくお願い申し上げます。